パパララの独り言

大好きなFF14~「黄金」への70点と、未来へ預ける「希望」という名の約束手形

patch7.3が公開されました!

エオルゼアに新しい夜明けが訪れてから、少しだけ時間が経ちました。 SNSを覗けば、仲間たちが新しい冒険に胸を躍らせる姿や、美しい新大陸のスクリーンショットが今も賑やかに流れてきます。その光景を、私は今、少しだけ遠い場所から、穏やかな気持ちで眺めています。

そう、私は今、エオルゼアの冒険を少しだけお休みしています。

 

※この記事には「漆黒のヴィランズ」と「暁月のフィナーレ」のネタバレが含まれます。まだそこまでストーリーを進めていない方は、プラウザバック推奨です!

 

 

「黄金のレガシー」のメインストーリーを、私は最後まで駆け抜けました。そして、もし誰かに「今回の物語、どうだった?」と問われたなら、私はきっとこう答えるでしょう。 「100点満点中の、70点。もちろん、これからの未来に対する、最大限の期待と信頼を込めて」と。

この言葉を聞いて、眉をひそめる方がいるかもしれません。「70点とは、ずいぶん低いじゃないか」と。ですが、どうか誤解しないでください。これは断じて、FF14という稀代の物語を批判したり、貶めたりするためのものでは、決してありません。

むしろ、この世界を愛し続けてきた、一人のプレイヤーからの、最大限の「ラブレター」なのだと、そうご理解いただけると幸いです。

 

なぜなら、この「70点」というスコアは、「黄金のレガシー」そのものが持つ欠点というよりも、むしろ、これまでのFF14が築き上げてきた物語体験――特に「漆黒」や「暁月」が私たちに見せてくれた、奇跡のような「120点満点」の輝きが、あまりに偉大すぎた故の、相対的な評価なのですから。

この記事は、そんな私の個人的な、そして少し複雑な心境を、世の中に溢れる様々な感想――熱烈な称賛の声や、私と同じような少しの戸惑いの声――を道標としながら、丁寧に紐解いていく試みです。そして、なぜ私が今、しばしの休止を選びながらも、未来のFF14に、揺るぎない希望を託しているのか。その理由について、お話しさせてください。


 

第一部:傑作がゆえの重圧 〜「120点」の物語が落とす影〜

 

この話をする前に、少しだけ過去を振り返ることをお許しください。 私たち長年のプレイヤーの心には、あまりにも深く、そして鮮烈に刻み込まれた物語体験があります。

そう、「漆黒のヴィランズ」と「暁月のフィナーレ」。

「漆黒」では、私たちは絶望の淵に立たされた第一世界を救うため、「闇の戦士」となりました。そこで出会った水晶公や、アルバート、そしてエメトセルクという、ゲーム史に残ると言っても過言ではない、あまりにも人間臭く、魅力的なキャラたち。彼らが紡いだ物語は、私たちの「正義」という価値観を根底から揺さぶり、涙と共に、深い思索を与えてくれました。

続く「暁月のフィナーレ」では、星の終焉という、あまりにも巨大な絶望に立ち向かいました。ハイデリンとゾディアークを巡る永年の謎が解き明かされ、宇宙の果てで待っていたのは、悲しいほどに純粋な、デュナミスという概念。あのフィナーレで、仲間たちの想いを背負い、終焉を謳うものと対峙した時の感動を、どう言葉にすればいいのでしょう。それは、10年という歳月をかけて紡がれてきた「ハイデリン・ゾディアーク編」の、あまりにも完璧なグランドフィナーレでした。

これらは、もはや単なるゲームのシナリオではありません。私たちの人生の一部と呼んでも差し支えないほどの、奇跡的な物語体験だったのです。100点満点で評価することすらおこがましい、「120点」の傑作。

「黄金のレガシー」は、そんな途方もない傑作の、次にページがめくられた物語です。 新しい10年の幕開けとなる、全く新しいサーガの序章。果たして、あの奇跡をもう一度体験できるのだろうか? そんな、期待と不安が入り混じった、巨大なプレッシャーを、私たちは無意識のうちに「黄金」の物語にかけてしまっていたのかもしれません。

壮大なサーガの「完結編」と、新しいサーガの「序章」を、同じ物差しで測ること自体が、フェアではない。頭ではそう分かっていても、心が覚えてしまった感動の記憶は、どうしても比較の対象を探してしまうのです。この、傑作がゆえの重圧こそが、私の「70点」という評価の根底に、深く横たわっているのです。

 


 

第二部:70点の序章 〜広大な世界と、未来への「約束手形」〜

 

さて、その上で「黄金のレガシー」そのものについて、お話ししましょう。 私が付けた「70点」。この点数は、確かな「素晴らしさ」で構成されています。

まず、冒険の舞台となるトラル大陸の造形、そこに息づく文化の描写は、非常に緻密で、私たちの冒険心を強く刺激してくれました。また、グラフィックアップデートによって、世界の雰囲気も大きく変わりました。光や水の表現が新しくなり、良くも悪くも、見慣れた世界の印象が更新されたことは、今回の拡張の大きな特徴の一つでしょう。そして、物語の要所要所で見せる、息をのむようなカットシーンや演出。これら全てが、私の点数を70点まで引き上げてくれた、紛れもない美点です。

では、残りの「30点」は、どこへ消えたのか。 それは「欠点」というよりは、未来の楽しみのために、運営が意図的に残した「余白」であり、「約束手形」なのだと、私は解釈しています。

その「もやもや」の核の一つが、今回の物語の中心人物である、ウクラマト王女の描き方です。 彼女が背負うものの大きさや、民を想うひたむきさは、確かにストーリーを通して伝わってきました。
しかし、7.0の物語を終えた時点では、正直に言って、彼女自身の人間的な魅力や内面の葛藤といった部分が、まだ少しだけ表層的に感じられたのです。私たちがこれまで出会ってきた、アルフィノやアリゼーといった仲間たちのように、心の底から「彼女を護りたい」「共に戦いたい」と思えるようになるための、重要な感情のピースが、まだいくつか足りないような感覚。

もちろん、これもまた、これからのパッチで彼女が様々な経験を経て、見違えるほどに成長し、私たちを驚かせてくれるための、壮大な「前振り」なのだと信じています。未熟さや危うさを含めて、彼女というキャラクターが、今後どのように描かれていくのか。その変化を見届けることこそが、今後の大きな楽しみの一つに他なりません。

そしてもう一つは、物語全体の構成についてです。 他のブログやSNSでも散見されるように、「物語の中盤、少しだけテンポが落ちるように感じた」という声や、「敵役の背景や哲学が、過去の拡張に比べて、少しだけあっさりと描かれているように感じた」という声。私の感覚も、それに近いものがありました。

物語全体を通して、非常に多くの謎や伏線が、まるで未来への宿題のように提示されていきます。あのキャラクターの真の目的は? あの古代文明の真相は? あの時見えた、あのビジョンの意味は? それらは非常に興味深いものばかりですが、7.0の物語の中では、そのほとんどが「答え」を提示されません。

これは、壮大なサーガの序章として、全くもって正しい手法です。
ただ、「漆黒」や「暁月」が、一つのパッケージの中で、驚くほど多くの謎を回収し、一つの完璧なカタルシスを描き切って見せた、あの離れ業を体験してしまった後だと、どうしても、今回の物語が少しだけ「肩透かし」に感じてしまう瞬間があったのです。

「ああ、この感動は、少し先までお預けなんだな」 「このキャラクターの深掘りは、もう少し後なんだろうな」

そう、物語の随所で、未来が透けて見えてしまう。 その感覚こそが、私の「もやもや」の正体であり、差し引かれた30点の正体です。それは決して「不満」ではありません。運営が私たちに手渡してくれた、「未来に、もっとすごい感動をお約束しますよ」という、信頼できる「約束手形」なのです。

…そうだよね。吉P?

 


 

第三部:私の休止は、未来への「ベット」である

 

そして、この「約束手形」の存在こそが、私が今、冒険を休んでいる理由です。 私は、運営が手渡してくれたこの手形を、最高の形で換金したい。つまり、未来のパッチで物語が大きく動き、伏線が回収され、全ての「もやもや」が感動へと昇華されるその瞬間を、一点の曇りもない、新鮮な心で迎えたいのです。

この、少しだけ「物足りない」と感じている「もやもや」を抱えたままプレイを続けることは、私にとって、最高の料理を、前菜だけで評価しようとするようなものです。メインディッシュとデザートが、これから最高のタイミングで運ばれてくると分かっているのに、それを待たずに席を立つのは、あまりにもったいない。

私のこの休止は、後ろ向きなものでは断じてありません。 FF14の運営チームが、この10年間で築き上げてきた、物語への絶大な信頼に基づいた、極めて前向きな「未来へのベット」なのです。

彼らは、私たちが「約束手形」だと感じている、その何倍もの価値を持った「答え」を用意してくれているに違いない。そう確信しているからこそ、私は安心して待つことができる。この信頼感こそが、FF14と、私たちプレイヤーとの間に築かれた、何よりも尊い財産だと思います。

 

結論:また、最高の冒険をするために

 

というわけで、今の私は、一人の「観客」としてFF14を楽しんでいます。 仲間たちの冒険の様子を微笑ましく眺め、次のパッチノートの報せを心待ちにする。それはそれで、非常に穏やかで、幸福な時間です。

この思慮深い待ち時間もまた、FF14が提供してくれる、豊かなゲーム体験の一部なのかもしれません。

私が再びトラル大陸の地に降り立つのは、運営が手渡してくれた、あのたくさんの「約束手形」が、一つ、また一つと、感動的な「答え」に変わっていく、その時です。世界中のプレイヤーが「ああ、7.0のあのパートは、この瞬間のためにあったのか!」と、一斉に天を仰ぐ、その日です。

その時が来たら、私はきっと、何の迷いもなく、この世界に「ただいま」を言うでしょう。 最高のメインディッシュを味わうために。

「黄金のレガシー」は、70点の傑作であり、30点の希望です。 その希望が満たされる日を、心から楽しみにしています。 だって、ここは、私たちの帰るべき「家」なのですから。

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