皆さん、こんにちは! 秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか。読書、ゲーム、映画鑑賞…楽しいことがいっぱいの季節ですが、今年の10月、私にとっては、それら全ての楽しみを合わせたような、特別な出来事が待っています。
そう、ついにあの人気異世界ファンタジー小説、『素材採取家の異世界旅行記』が、テレビアニメとして放送開始されるのです!
この情報を目にした時、私は思わず「やった…!」と声に出してガッツポーズをしてしまいました。もちろん、一ファンとして、この作品のアニメ化をずっと心待ちにしていた、というのもあります。ですが、私のこの喜びは、それだけではない、もっと個人的で、もっと深い想いから来るものなのです。
なぜなら、この素晴らしい物語を紡ぎ出した作者の、きのこさん。 何を隠そう、その人は、私がかつてアストルティアの大地を駆け巡っていた、オンラインゲーム「ドラゴンクエストX」時代の、大切なフレンドの一人だからです。
今日は、そんな特別な立場から、なぜこの物語がこれほどまでに素晴らしいのか、そして、来るべきアニメ化がどれほど楽しみなのか。私の個人的な思い出話を交えながら、その想いの丈を、全力で語らせていただければと思います。
今からもう、何年も前のことになります。私は、多くの冒険者たちと同じように、ドラクエXの世界「アストルティア」で、来る日も来る日も冒険に明け暮れていました。
きのこさんと、どうやって出会ったのか。正直なところ、その正確なきっかけはもう思い出せません。パーティ募集で偶然一緒になったのか、誰かの紹介だったのか…。でも、気づけば、当たり前のように一緒に遊ぶ、そんな仲になっていました。
特に印象に残っているのは、当時実装されたばかりで、プレイヤーたちを震撼させていた『コインボス』に、何度も一緒に挑戦したことです。中でも、あの『ドラゴンガイア』。今の感覚からすれば信じられないかもしれませんが、当時は本当に強くて、何度も何度も全滅させられました。
きのこさんのメイン職業は、たしか魔法使いでした。後方から、『メラミ』を叩き込み、パーティの火力を支える。この頃はまだ『メラゾーマ』や『メラガイアー』さえ実装されていないようなそんな初期も初期です。そして、私も魔法使いとして、そしてたまに僧侶として、仲間たちを必死に支えていました。あの頃の、息のあったとはとても言えない(笑)連携プレイは、今でも鮮明に思い出せます。他にも、バラモスやグラコスといった当時の強敵たちに、ああでもない、こうでもないと作戦を練りながら挑んだ日々は、私の冒険譚の中でも、最も輝かしいページのひとつです。
そんなある日、私は、きのこさんがドラクエ関係のブログを書いていることを知りました。もちろん、すぐに読みに走りました。そして、衝撃を受けたのです。
「面白い…! なんだ、この文章は…!」
ただのプレイ日記ではありませんでした。そこには、一つの戦闘、一つのクエスト、仲間との何気ないやり取りの一つひとつに、きのこさんならではのユニークな視点と、ユーモア溢れる言葉選び、そして、物語を紡ぐ才能が、溢れんばかりに輝いていました。
まさに今のタケルの、あの語り口の原点と言えばいいのでしょうか。
その文章表現能力に唸ったのを覚えています。
それにすぐに影響を受けて、私もまた、自分のブログを立ち上げました。このブログの前身となる、ドラクエXの冒険を綴るブログです。そう、私がこうして文章を書いているきっかけは、紛れもなく、きのこさんなのです。
そして、そのブログを読んでいた当時から、私は漠然と感じていました。 きのこさんの書く文章の口調、その構成、その世界観の描き方…まさに、今の『素材採取家』にも通じる、才能の「原点」が、そこにはありました。 「この人は、なにかが違う」と。 その漠然とした予感は、確信に変わっていきました。
だから、『素材採取家の異世界旅行記』がアルファポリスで連載を開始し 、あれよあれよという間に人気を博し、書籍化され、コミカライズされ…そして、ついにアニメ化という知らせを聞いた時、私は心の底から「やっぱりな」と思ったのです。
さて、私の思い出話が長くなってしまいました。 そんな、私の旧友(いあいあ、今も交流は続いていますよ!)が書いた『素材採取家の異世界旅行記』とは、一体どんな物語なのか。
物語は、ごく普通のサラリーマンだった神城タケルが、剣と魔法の世界『マデウス』に転生するところから始まります 。彼は、いわゆる「チート級」の能力を神様から授けられるのですが 、この物語が他の多くの異世界作品と一線を画すのは、その能力の使い方というか、『主人公タケルの精神性』にあります。
物語の中心は、魔王討伐や国家間の戦争といった、壮大な英雄譚ではありません 。あくまで「素材採取」という、地道で、平和な活動に置かれているのです 。主人公のタケルは、珍しい植物や鉱石を採取し、それを売って生計を立て、旅の傍らで美味しい料理を楽しむ 。この「のんびり」「ほのぼの」とした雰囲気が、本作の最大の魅力。
そして、特筆すべきは、作者のきのこさんが、作品紹介で「ハーレムしません。恋愛要素一切ありません」と、はっきりと明言していることです 。
異世界転生ジャンルに溢れる「お約束」を、意図的に、そして潔く排除する。この姿勢が、同様の展開に食傷気味だった多くの読者の心を掴み、熱狂的なファンを生む要因となったのではないかなと思っています。
まぁ、本人の性格を考えると書き始めた当時はそこまで計算して書いていたとは思えませんが(笑)
この物語は、ただ優しいだけではありません。その穏やかな世界観を、魅力的なキャラクターたちが、より一層、彩り豊かにしています。
もちろんまだまだ出てくるキャラは沢山います。私のお気に入りのキャラは、タケルにおっさん呼ばわりされている『クレイ』というリザートマン。たぶん今回の一期にはおそらく登場しないであろう、もう一人のキャラもお気に入り。
そんなまるで家族のような、温かくて、時にコミカルな旅路こそが、『素材採取家の異世界旅行記』の魅力ですね。
そんな、私が愛してやまない物語が、ついにアニメとなって動き出す。 古参ファンとして、期待はもうはち切れんばかりです!
私が特に楽しみにしているのは、タケルが作る、数々の美味しそうな料理の描写です。原作を読むたびに、お腹を空かせていた、あの料理の数々が、アニメーションで、一体どれほど美味しそうに描かれるのか。仲間たちが、それをどんな表情で、どんな音を立てて食べるのか。想像するだけで、よだれが出てきそうです。
そして、たぶん私もそうなんでしょうけど……見ていて感じるのは「あぁ、私は日本人で良かったなぁ」と思えるところです。たぶんこれは、作品に触れてみないと分からないかな。それくらい自分の琴線に触れてくるものがありますよ。
きのこさんへ。 もし、この拙いブログを、読んでくれていたら。 心の底から、言わせてください。アニメ化、本当におめでとうございます。
あの日、アストルティアの片隅で、他愛もないチャットを交わしていた、一人の冒険者。その人が紡ぐ物語が、今こうしてアニメとなり、世界中の人々に届こうとしている。そのことが、自分のこと以上に、本当に嬉しいのです。
あの頃から感じていた、あなたの才能の片鱗。 「この人は、なにかが違う」という、漠然として、しかし確信に満ちたあの予感は、間違いではありませんでした。
そして、この記事をここまで読んでくださった、全ての皆様へ。
2025年10月から始まる、アニメ『素材採取家の異世界旅行記』を、ぜひ、ご覧になってください 。
そこにはきっと、日々の喧騒を忘れさせてくれる、優しくて、温かくて、そして、ちょっぴりドキドキする、最高の時間が待っています。
もし、アニメを見て、少しでも「いいな」と思ったら、ぜひ、原作の小説も手に取ってみてください。そこには、あなたの心を豊かにしてくれる、広大な物語の世界が、どこまでも広がっていますから。
私はきっと、テレビの前で、毎週、万感の思いを込めて、この物語の始まりを見届けることになるでしょう。
長文にお付き合いいただき、本当に、ありがとうございました。